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観ました。
すごかった。
なんであんな話が書けるんだ…
論理的な問題を作れて、どうしてそこに愛情を描けるんだ…
人間を描くって本当に難しいから、あんな話が作れる方は本当に尊敬します。天才ってむしろ貴方が天才です東野先生。ほんとすごいよ。
すごいと言えば俳優さんたちのすごさも肌で感じました。すっげえぇ…! 演じるってほんとすごい!

ネタバレいっぱいします。
初っ端の方のシーン、石神がアパートで隣家の朝の声を聞き、目覚め、部屋を出鍵を閉めて、隣家のプランターのカラカラ(?)を直し、階段を下りて橋を渡り、ホームレスのいる川縁を歩く。この一連のシーンがすごく大事に描かれていたから、意味があるんだろうなと思ってたら、次に川縁を通ったときにはホームレスの方がひとりいなくなっていた。
わたしは視力が今眼鏡掛けて0.7なので(笑)その男が靖子さんの殺された元旦那だったのかと勘違いしてたんだけれど、別人でしたね…しかも核心部分でしたか。
ともかく、その些細な伏線を織り交ぜた自然で無駄のない演出、見せ方をしてると思った。
山登りのシーンなんかも、石神の意図という部分が、観客を上手く騙すように描かれていたと思う。登山に使う杖(?)凶器にもなりうるあれを、電話口でわざと映して見せたこと。観客は『もしかして先生殺され(そうにな)るんじゃ…!』とハラハラする。
山登りのシーン。常に5mくらい先をゆく石神と、湯川先生。湯川は置いて行かれそうになったら石神に声を掛けるし、石神もそれに応える。
山小屋のシーンでは石神が「もう登れなくなる(これが最後かもしれない)」みたいなことを言う。観客はその台詞に意図を察してさらに危機感を持つ。
そして登山再開、次には10mぐらい離され、さらには吹雪のシーンで遅れをとる湯川先生が石神に声を掛けるも、石神は2度目あたりにしてやっと振り返り、しかし引き返してこない。観客は『湯川先生は遭難させられちゃうんじゃないか、岩神の計画的犯行なんじゃないか』とハラハラが高まる。そしてハラハラ要素を三(四?)段階に分けて積み重ねたところで、湯川先生を転ばせて、石神の姿を見失わさせる。観客は「あっ」と思うけれど、そこに石神が現れ、湯川に手を貸し、ハラハラが取り越し苦労だったと胸をなで下ろす。
この一連のシーンで、湯川が石神を信じていること、また石神がそれほど、というか少なくとも湯川に対して異質な人間ではないということを描いていて、しかも、湯川の死を連想させた「これが最後~」の台詞が翌日の自首の伏線だったと二重の意味で観客を騙してる。
この描き方がすんごい上手いなぁと思いました。わたしの説明は下手だけどな…。

帰宅してから原作読んだんですけど、山登りが趣味というのは映画のオリジナル要素なんですね。なぞる部分はあったけど。
東野先生もすごいけど映画の脚本・演出の方もすごいなぁ。
あと石神がストーカーに変質し(ていくように見せかけ)たシーン。またその石神に恐れを抱いてゆく靖子。ほんと、上手い具合に騙されました。美里ちゃん役の子の演技もすごかった。
あとやっぱり最後の泣き崩れる演技とかすげー…ほんとに誰も幸せにならない…大抵真実は形がどうであれどこかに救いがある感じがするのに、ほんとにどこにもない。真実が明かされたことで救われた人がいるとしたら、唯一歯車のひとつにされたホームレスの方かな…でも救われるとは違うのかな…。死者が浮かばれるなんて思想はある意味では生きてる人の思い込みだもの。
あの事件に関わった、生きている誰もが不幸せ。そんな結末を描ける東野先生が天才だわ…。

あ、最初のほうは湯川先生と薫ちゃんにニヤニヤしてました(笑)かわいいよかわいいよ!
草薙含む三人組なシーンが多くて大変満足しました。かわいいよかわいいよ!
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